SNS依存になり絵が描けなくなった話


夏は怪談!ということで、今回は私が過去に経験した本当にあった怖い話をしていきたいと思います。

※怪談ではなく、ただの創作活動で失敗した話です^^;

見つけた居場所

数年前、私はSNSで絵を投稿することに生きがいを感じていました。

それ以前、高校を卒業してから私は大学にはあえて進まず、漫画家になる夢を追っていました。

読み切り作品を描いては、漫画賞に投稿する日々。

しかし、高校を卒業してから数年経った頃、ぱったりとアイデアが浮かばなくなりました。
創作意欲がゼロになったんです。

その頃はまだバイトも始めておらず、家にこもりっきりで、ただただ机に向かうだけの生活を繰り返していました。
(今思えば、この環境が一番の悪影響だった気がします)

その後バイトを始めるも、創作意欲は戻ってきませんでした。
小さな穴の中でうじうじと過ごす毎日。


そんな中出会ったのがSNSでした。

最初は軽い遊びのつもりでした。

試しに過去に描いた作品を投稿。
こんな絵に反応してくれる人なんていないだろう。そう思いながら待つこと数分。

いいねされた!

え、こんな絵も好きだと思ってくれる人がいるんだ!

創作意欲をなくし自己肯定感が低くなっていた私にとって、この時の「いいね」は物凄い喜びでした。

これ以降の私の生活は一変しました。

それまで進んでいなかった筆が、SNSに投稿するためだと思うと 自然と動き出すようになっていました。

投稿すればいいねがもらえる!嬉しい!


これが大きな落とし穴になるとは、この時の私は思いもしなかったのです。

数字の魔力

SNSで投稿を始めてしばらく。
幸運なことに自分をフォローしてくれる方も沢山いてくださるようになり、創作活動はSNSが中心になっていきました。

でもいつからか、いいねやリツイートの数字にしか意識が向かない自分がいました。

今回は前よりみんなの反応が少なかった。
じゃあどんな絵を描いたら、沢山見てもらえるだろう。
評価してもらえるんだろう。
そんなことばかりを毎日毎日考える日々。

少しでも多くの人に覚えてもらえるようにしないと。
自分のことを忘れられてしまわないようにしないと。
投稿頻度は絶対に落としちゃだめだ。
必死になって毎日絵を描きました。
多少クオリティを下げてでも、2日に一回は投稿できるように。
その上でみんなから反応がたくさんもらえる絵を。

完全にこの時私は、SNS依存に陥ってしまっていました。

崩壊

そんな日々が1年か2年続いた頃。夜中の1時か2時過ぎ。

突然、急激な胃の痛みで目が覚めました。

と同時に猛烈な吐き気に襲われ、どうにかトイレに向かうため立ち上がったものの ひどい眩暈でまともに歩くことができず、洗面所で床に倒れてしまいました。

何分経った頃か、意識が朦朧としている私を家族が見つけてくれ、夜中だというのに必死に介抱してくれました。

この体調異変の原因は1つ。
ストレスでした。

SNSでの評価を落としてはいけないという強迫観念が、いつの間にか自分の気付かない所でメンタルを蝕んでいたのです。

そしてその後、体調を回復させるため、しばらくSNSの活動を休止しました。

しかし、体調が回復してからもしばらく絵が描けなくなってしまいました。
というより、描きたくなくなってしまった。


この症状は数か月間続きました。
自分はなんのために絵を描いていたのか。
自問自答を繰り返す日々。

良くも悪くも、この療養期間がしっかりと自分と向き合うきっかけになりました。

楽しさを忘れずに

必死になって描いていた頃、得たものも沢山あります。

いつも私の絵を見てくださったり、色んなお話を一緒にしてくださったり、
いつも自分の創作に刺激を与えてくださるフォロワーさんたちに出会えたことは、本当に感謝しかありません。

だから、SNSはけして悪いものじゃないです。
それは分かっていた筈でした。
だけど使い方を一歩間違えてしまうと、自分を苦しめる毒になってしまいます。

SNSの中で、人と自分を比べたり、絵を描くことが辛くなっている方に伝えたいです。

誰かと比べて上手い下手じゃなくて、いいねやリツイートの数でもなくて、まずは自分の描きたいものを楽しく描いてほしいです。

絵を描くのは楽しいことです。
めっちゃ楽しいです。
それをどうか忘れないでほしい。

あの人みたいにいいねを沢山貰える人になりたい。有名になりたい。

そういった目標を掲げて絵を描くこと、投稿することは何も悪いことではないと思います。
現に、今日本ではXなどのSNSでの評価がお仕事に繋がるきっかけになることも多いです。

だけど、それで絵を描くこと自体を嫌いになっては意味がないです。
勿体ないです。

周りに流されず、自分の好きを詰め込んで楽しく描き続けることがどれだけ難しいことか。
分かった今だからこそ、私は自分の「好き」を追求して絵を描くことに決めました。

なんでも数字で価値を測る今の世の中、息苦しく感じることも多いですが、所詮はただの数字。
喜ぶことはあっても、それによって落ちこんだり、焦ったり、マイナスに心を動かすことは馬鹿らしい、今はそう感じています。

さいごに

個人的な意見ばかり雑多に並べてしまいましたが、
1人でも多くの方が、心健やかに楽しく、絵を描き続けられることを心より願ってやみません。

ここまで読んでいただきありがとうございました!